技術者でない人が語る特許のはなし

  1. ラティスについて

ラティス・テクノロジーは「XVL」という軽量3Dフォーマットを発明した会社であり、「技術」からスタートした会社です。
新しい技術を発明する、と聞いてみなさんどんなイメージを持ちますか?
「発明するのは大変そう」「技術的な中身やどのように生まれたのかな」…そんなことが気になるのではないかと思うのですが、管理部門からすると「特許取得するのかな?」ということも大変気になります。
今日はそんなラティス・テクノロジーの保有している&していた特許についてご紹介します。
技術者ではない人が語りますので、技術的な話はありません…(ごめんなさい)
XVLの詳しい技術はきちんとした技術者の方が解説しているのでそちらをぜひご覧ください!
XVLとはどんな技術か?①   XVLとはどんな技術か?②

日本においてどんな特許を保有しているのか?

日本国の特許情報は「J-PratPat」で検索・閲覧することができます。
試しにラティス・テクノロジーで検索してみましょう・・・16件ヒットします。

各特許の詳細が閲覧できますので、技術者のみなさんは良かったらぜひご覧ください!

・・・というご紹介だけで充分すぎるほどなのですが、「特許って具体的にどんなもの?」と思われる方向けにちょっとだけ説明させてください。
特許というのは、画期的な発明をした発明者に対し、公開することを条件にその発明の独占的利用を20年間許可するシステムです。
画期的な発明は世の中を発展させてくれるため、様々な人がその恩恵にあずかれることが理想ですが、一方で発明するにはお金も時間もかかります。
必死にがんばって発明したものが簡単に模倣されてしまうと発明する人のモチベーションが失われてしまい、ひいては新しい発明がされなくなってしまうかもしれません。
世の中の発展と発明する人両方のメリットを実現するシステム、それが特許権です。

特許名称のおもしろさ

特許権を認められるためには審査があり、新規性や進歩性が認められなければなりません。
そのため特許として申請しても、途中で拒絶されたり、審査の途中で申請を取り下げたりします。
ラティスでもそうした発明が複数あります(なお株式会社リコーとあるのは共同で出願したものになります)


ちなみに特許権名はすごくシンプルなものからやたら長いものまであります。
シンプルイズベストな「3次元グラフィックスデータ表示装置」も好きですが、当社の中で一番推したいのは「可逆な丸め操作による曲面モデルの生成方法及びその曲面モデルからの格子ポリゴンモデル生成方法及びそれらの方法を実行するための記録媒体、及び曲面モデルの伝送/表示方法」です(なんかすごそう)
ちなみに処理をしていて一番ややこしい特許は「2次元または3次元の形状情報を表示・操作するシステム、方法及びコンピュータソフトウエアプログラム」と「2次元または3次元の物体データを表示操作するシステム、方法及びコンピュータソフトウエアプログラム」だと思っています(チラ見ではどっちだったっけ?となるレベルだと思うのですが、みなさんはいかがでしょう?)

一番古い特許出願で1999年、実はラティスの特許も既に権利消滅しているものがちらほら出始めました。

日本以外の特許

今までご紹介したのは「日本国内」での特許でした。
ご存じの方も多いと思いますが、現在では「PCT出願」といった国際出願での特許申請が一般的になっています。
本来、特許というのは各国の特許法に基づき、各国ごとに申請手続き・登録をしなければなりませんし、また特許申請は原則「早い者勝ち」なので、急がなければなりません。
・・・少し想像しただけで面倒だと思いませんか?
発明物を用いてグローバルにビジネスを行う企業が多い現代において、煩雑な特許手続きは申請者も審査官も大変です。
こうして生まれたのがPCT出願で、PCTに加盟している一か国に出願した場合、全てのPCT加盟国に対して「国内出願」したとみなされる、便利なシステムです。

ラティスの特許もPCT出願で出願しており、一部の発明はアメリカやドイツ、フランスといった国でも特許として認められています。
(日本で特許承認されても別の国では認められないケースも特許あるあるです…)
試しにアメリカの特許システムで「Method and system for creating a product parts catalog(日本国特許名は「製品のパーツカタログを作成する方法及びシステム」…きれいな直訳!)」を検索してみると、こんな感じです。

特許を出願する際には膨大な書類を発明者の方には書いて頂く必要があります。
(↑の特許もページ数が44ページ、膨大ですね)
また、最初の申請で特許認定されることは少なく、先述したように特許庁からの激しいツッコミに対して項目を見直したり修正したり…という想像以上の手間がかかります。
更に海外の場合は時間がかかるかかる…ので年単位の話になることがほとんどです。

そんな時間も手間もかかる特許申請ですが、その分社内の知っている人が発明者(会社名も載りますが基本は「誰が発明したのか」が重視されるのが特許です)として記載された特許証を手にすると感慨もひとしおです。
「やっぱり技術者ってすごいなあ」と誇らしい気持ちでいっぱいになります。

当初は商標までも含めた「知的財産権」についてお話しようと考えていましたが、思った以上に長くなってしまったので商標はまたいずれ。
少しでも気になった人は「J-PratPat」で検索してぜひ詳細を見てみてくださいね。

Rico

2013年入社。コーポレート部門で色々やっている人です。

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