目次
はじめに
こんにちは、研究開発本部で本部長を務めておりますKen-Tと申します。本日は2024年度から取り組みを始めている「世界No.1性能実現チーム」というプロジェクトについてお話しします。なお、研究開発本部としては学術研究のXVL活用の取り組みや、XVL Converterの製品開発等の業務もございますが、そちらは本日割愛いたします。
世界No.1性能実現チームについて
設立のきっかけ
元々性能向上は研究開発本部の最も重要な使命であり、従前から部門内では取り組みを続けておりました。特にU-XVLの次の世代のXVLフォーマットの開発を2022年度から進めており,これによりXVLファイルの読み込み/書き出し速度の劇的な向上を目指しておりました。
しかし、2023年度の後半に下記の問題が浮上しました。
- 読み込み/書き出し速度(特に読み込み)の劇的な向上のためには現状のXVLのメモリー上の表現を一から見直す必要がある
- 読み込み/書き出し速度の向上以外の性能改善要望に応えられる体制になっていない
いずれの問題についても、部門を超えた協力がその解決には必要なため、2024年4月から「世界No.1性能実現チーム」という超部門的チームを立ち上げました。
目的と体制
本チームの目的を以下に記します。
XVL 製品のあらゆる操作でユーザーのストレスがゼロになる理想値を目指す
本目的を達成するために、チームメンバーは開発部門だけでなく、顧客の声を直接聞けるプリ/ポストセールスの部門からも選抜しています。この体制により、以下のステップで性能問題の解決に取り組んでいます。
- 顧客の性能問題を集約する。このとき、顧客の具体的な環境・利用シナリオ・利用データを明らかにし、シナリオを構成する各操作の理想性能と現状性能を具体的な値として定める
- 各操作のプロファイリングを逐一実施し、理想性能を達成するための対策を洗い出す
- 以下の観点で対策に優先度を付ける
- 対策の実施による効果(理想性能に向けてどの程度性能が改善するか)
- 対策の実施に掛かる開発工数
- 対象となるソリューションの当社の戦略上の重要度
- 優先度の高いものから開発計画を立てて開発を進める
現在の達成状況と直近の目標
現在(2024年度第四四半期)の段階では、前述のステップ3が大よそ70データに対して実施完了し、特に投資対効果が高い対策の開発を進めています。今後の約1年間は以下の目標で活動を進めていく予定です。
- 2025年4月 : 特に投資対効果が高い対策を織り込んだ製品のリリース
- 2025年10月 – 2026年4月 : 重要度の高いソリューションを構成する操作の性能問題を解決した製品の段階的リリース
目的達成に向けて解決すべき問題
設立のきっかけであった「読み込み/書き出し速度の向上以外の性能改善要望に応えられる体制になっていない」という問題点については、この約一年間の取り組みで解決できる体制ができてきたという実感があります。
一方で「読み込み/書き出し速度(特に読み込み)の劇的な向上のためには現状のXVLのメモリー上の表現を一から見直す必要がある」という問題点については、投資対効果が高い対策を優先した開発したこともあり、解決に向けては動き出せていないというのが現状です。こちらについては、特に2026年度からの本格開発に向けて、2025年度に詳細調査を進めたいと考えております。