こんにちは!新卒入社3年目、研究開発本部のM.Tです。
今回は私からラティスの開発部門の一つである研究開発本部について紹介します。
目次
研究開発本部とは?
本部門には3Dのコア技術の開発および研究をする研究開発グループと他社のCADソフトやフォーマットをXVLに変換する製品を開発するConverterグループの2つで構成されています。
では早速、それぞれのグループがどういう開発をしているのか紹介していきます!
研究開発グループ
このグループにはさらに3つの開発担当に分かれています。
Kernel開発担当
Kernel(カーネル)はXVLの基盤フォーマットと高度な形状処理を担うコアモジュールです。
本モジュールを担当している開発者は主にフォーマット拡張開発やXVL製品機能の高度な形状処理部分の開発を行っています。
特に今ちからを入れていることは、2025年リリース予定の新XVLフォーマット開発です。
本開発では、パフォーマンスの大幅な向上を目指しており、特にXVLファイルの読み込みと書き出しの速度改善とGUIのレスポンス改善が重点テーマです。
本開発を担当しているH.Hさんに業務をする上で難しいところややりがいを聞いてみました!
H.H「難しいところは、回帰テストによる不具合修正や新規開発等でソースコードを編集するときに他の開発者の実装箇所やその周辺を考慮してどういう実装が最適か考えることです。Kernel内のソースコードを編集するとXVLフォーマットを含め全製品に影響を受けることになるので、別の製品で新たな不具合が生じないように設計・実装は慎重に行う必要があります」
「一方やりがいは、Kernelというコアモジュールの開発に携われることです。先ほど述べたように、KernelはXVLフォーマットを含め全製品に影響するので、影響範囲が広い開発要件に対しては最適かつ高度なプログラミングスキルが求められます」
Assistant開発担当
Assistant(アシスタント)はKernelで作成された形状をビュー上に描画する役割を担うモジュールです。(私(M.T)はこのモジュールの開発を担当しています!)
本モジュールを担当している開発者は主に高速かつ省メモリで大規模データを描画できるようにすることや,形状の解析結果などを表示する補助形状の開発を行っています.
特に今ちからを入れていることは、2026年リリース予定の新Assistant開発です。
本開発では、現在稼働しているAssistant(以下,旧Assistant)に対してリファクタリングを行い、拡張性や保守性の向上だけではなく、リリース後もさらなる描画の高速化や機能追加などの様々なニーズに応えるモジュールを目指しています。
私が感じる難しいところは、旧Assistantのリファクタリングです。これまでの度重なる機能拡張によりソースコードは複雑になっていて、新Assistantに落とし込むのはかなり難しいですが、先輩社員のK.Iさんと協業しながら着々と進めています。
一方やりがいとしては、旧Assistantの不具合を取り除くことです。旧Assistantのリファクタリングをしていくと処理の全体像が少しずつ見えてきますので、不具合が発生したと報告を受けた時には早急に対応することができ、その結果旧Assistantだけではなく新Assistantの品質向上につながるためやりがいを感じます。
学術研究担当
顧客の困りごとの解決に繋がる新技術の研究・開発を行うチームです。2023年から若手社員を中心に本格的に活動を始めました。学術論文やオープンソース・ライブラリをXVLに活用するために,研究内容の理解,試作開発,ユーザーデータでの検証に励んでいます。
まだ始動して間もないので、若手社員T.KさんとY.Kさんにこれからの意気込みを聞いてみました。
T.K「公開されている学術論文やライブラリーをもとに新たなXVL機能を開発していますが、プロトタイプの完成後ユーザーデータでどういう挙動になるのか試したいです。その後も開発中の機能をブラッシュアップしていき社内の方をはじめ、ユーザーに認めてもらえるような品質を目指していきたいです」
Y.K「現状のXVL機能にはない、新たな技術を組み込んでいくことに面白さを感じています。試行錯誤などで長い道のりにはなると思いますが、T. Kと協力しながら最終的にXVLの正式な機能としてリリースされ、ユーザーの問題解決につながればいいなと考えています」
Converterグループ
XVL ConverterはユーザーがXVLを利用するための最初のステップとして非常に重要な役割を担う製品です。 Converterグループの開発者は本製品の保守と新規開発を行っています。
保守の主な内容は回帰テストで、CADソフトのバージョンアップ毎にテストデータに対してXVLへの変換を実施し、変換エラーや不適切な形状が生成されていないかをチェックします。
一方、新規開発では形状データに加えてPMIの設計情報も変換できるようにするというテーマにちからを入れており、その一つとしてセマンティックPMI開発があります。
セマンティックPMIについての詳細は下のURLで紹介されていますので、ご興味がある方は下記のリンクをご参照ください。
本グループに所属するT.Wさんに業務する上で難しいところややりがいを聞いてみました。
T.W「難しいところは、Converterによる変換エラーの原因の特定です。特に見た目ではわかりにくい不適切な形状が生成された場合は、様々な方法で少しずつ原因の特定をしていくため時間もかかります」
「一方やりがいは、保守作業により不具合を払拭していくことやセマンティックPMI開発等の品質向上によりユーザーが快適にXVLを使ってもらうことにつながる開発に携われることです」
※PMI (Product Manufacturing Information)とは形状モデルに割り振られる注記や寸法などを指します。
製造業 DX × 3D 成功のヒント|06. 似て非なるもの:二つの PMI | 2022年 | ニュース | ラティス・テクノロジー株式会社 (lattice.co.jp)
最後に
いかがでしたでしょうか。
XVLのモジュール開発について興味をもっていただけましたでしょうか。もっと開発者の話を聞いてみたい方は選考途中で開発者とざっくばらんに面談できる機会も設けていますので、ぜひエントリーしてみて下さい!