勝手に書籍紹介

The art of choosing 選択は芸術ということ

24種類のジャムを用意して試食してもらったときと、6種類のジャムを用意して試食してもらったときでは
6種類のジャムを試食した人の方がジャムを購入する率が高かった・・・
「選択肢が多い方が自由度が高くて購入する人が多いんじゃないの?」という私たちの思い込みを覆す有名な実験があります。

そんな”ジャムの実験”を行った「選択の科学」@シーナ・アイエンガー(櫻井祐子/訳) を今回はご紹介します。

 

選択肢の多いこと≠良いこと

冒頭のジャムの実験、不思議だと思いつつも「何だか分かる気もするなぁ」と思いませんか?

実際のところ、おおよそ人が心地よいと感じる選択肢の量は「7±2の範囲」なのだそうです。

全く選択肢を与えられないと人は不満を感じるものですが(選択の余地がないとつまらないですよね)、一方で選択肢が多すぎたり、その選択の難易度が非常に高かった場合には、人は選択すること(したこと)にストレスを感じるそうです。

(なんとワガママな生き物なのでしょう!)

そのように考えると、ストレスを少しでも減らして生きてゆくには、自分の中で重要ではないと思うことについては人の選択に上手に乗っかるというのが大切になってきますね。

 

選択と認知的不協和

一番興味深かったのはこのテーマかもしれません。認知的不協和、とは・・・

人が自身の中で矛盾する認知を同時に抱えた状態、またそのときに覚える不快感を表す社会心理学用語

Wikipediaより

そして選択にも認知的不協和の影響は非常に大きいのです。

例えば「Aを選びたかった」にも関わらず、外部要因の制約でAを選べなかったとき、人の心理は「Aは良くない。選ぶべきではない」と思い込むようになるそうです。その力は非常に強く、記憶まですり替えられてしまうそう。

 

選択すること=人生を作ること

改めて考えてみると、人は無数の選択を繰り返しながら生きていることに気づかされます。

今日のお昼ごはんから就職先まで、大小さまざまな選択が私たちの生活を形作っています。無数の選択肢の果てに人生が続いているのだなぁと思うと、とても味わい深いものがあります。

本書ではより良い選択をするためのテクニックもたくさん記載されているので、邦題の「選択の科学」というのも頷けますが、個人的には原題の「The art of choosing」がしっくり来るように思います。というのも、決断を下す行為は非常に個人事情による判断が混じるから。artとしか表現できない部分があるのではないかと感じました。

 

それでは皆さん、今日も良い選択を!