代表が語る:XVLの起源(前編)

  1. ラティスについて

こんにちは。人事のきういです。
今回は代表の鳥谷にインタビューをお届けします。初めて聞く話も多く、面白い時間となりました!

ー今回はそもそもXVLって何?ラティスってどんな会社?という基本的なことをお伺いしたいと思います。
まず、XVLという技術はどのようにして生まれたのでしょうか?ラティス・テクノロジーという会社を語るには外せないお話しですよね。どんな経緯があるんでしょうか?
鳥谷:元々データを軽量化するアイディアは、前職のリコー時代、「DESIGNBASE」というソフトウェアを作っていた頃からありました。DESIGNBASEは3D CADのコアとなるソフトウェアです。その中に使われている技術に、曲面を内挿する、つまり曲面データを周辺情報から構築するというものがありました。3D CADデータの中でいちばん情報量を使うのは、複雑な曲面を数学的に表現するところなんですね。つまり曲面データを持たなければデータは軽くなるということを考えていました。それで、曲面データを持たない表現形式を使ってみたらどうなるか……そうするとデータを持っていないので全体のデータは軽くなるわけです。

ーそうですね。
XVLはデータを作るフォーマットではなく、流通させるフォーマットなので、元になるデータを作るソフトウェアが必要でした。2000年前後のことですが、世界を見渡すとデータを作るソフトウェアとして既に3次元CADが何万本と使われていたので、そこからできたデータを変換して使った方がビジネスとして成り立つと考えました。オリジナルのアイディアに軽量化テクノロジ―を加えていって、最終的に「XVL」という技術が完成しました。

この軽量化技術を使ってデータが軽くなったら、3次元データをインターネット上で共有できて便利だから、もしかしたら世界を変えられるんじゃないか?と考えてこの技術を発展・発信しようと作った会社がラティス・テクノロジーです。

ー技術があって、それを世の中に広めようと会社が作られた、そしてそれを生かせる場所が製造業だった、ということですね。
創業初期はLattice Designerという製品がありました。Yさんが作ったんだけど、曲面を簡単に表現するソフトで、マルチメディアで使うには圧倒的な軽量性を実現するソフトがあったんです。今は「1/100になる」と言っているけど、Lattice Designerは1/1000、いや1/10000くらいまで軽く3D形状を表現できたんじゃないかな。
ところが、それは円柱や球などの正確な形状表現はできず、いい加減な形しか表現できませんでした。だから、ゲームとか、もっとカジュアルでよりパーソナルな使い方、エンタメ系に向いているんじゃないかと考えて作ったんだけど、実際に「3Dを軽くして使いたい」というニーズがあるのは製造業だったんですよね。

 

ー今のお話しから考えると、エンターテイメントの分野でも、精度を求められたということですか?
いや、精度は求められないんだよ。そちらに特化できれば今頃もっと違うビジネスをやっていたのかもしれないけど、いちばんの問題は「3次元データはどこにあるのか?」ということでした。

ーどういうことでしょうか。
XVLを生み出した当時は、マルチメディアの場でも使えるのでは?と思い、毎日あれにも3Dが使える、これにも3Dだとデモンストレーションを作っていました。300個はデモを作ったでしょうか。この頃がいちばんおもしろかったね。プリクラを3Dにしませんか?とメーカーに提案したり、当時の市ヶ谷オフィスまでの道のりを3Dマップにしてみたり、オフィス内も再現してみたり。

ーGoogle Mapでも同じような立体マップ機能がありますよね。
そうそう。Googleができる10年前に作っていました。結構すごいことなんですよ。しかもこのマップのデータサイズは69KBですから。

ー他にも現在なら商品化されていそうなデモがたくさんありますね。これが受けなかったということですか?
いやいや、ウケました。「今日は未来を見せてもらった」「面白いものが見れた、大変ためになった」とお褒めの言葉をたくさんいただいたけど、お金はいただけません。ビジネスには繋がりませんでした。

例えば警視庁にプレゼンした「3Dモンタージュ」は「交番にパソコンなんかない、どこで使うんだ、インターネットにつながっていないんだ」と言われたし、3Dプリクラは「データをどうやって持って帰るんだ」「どうやって再現するんだ」と言われました。インターネットはまだ電話回線を使ってつなぐ時代だったから、とても一般社会で使うにはなかなか難しかったんです。

ちょうどトヨタ自動車からの出資も決まった頃でもあり、「自動車1台のデータを軽くして表示する」という課題が来たので、3次元データを使って仕事をしている製造業へシフトしていった、という流れでした。

★後編はCasual3D実現をめざすきっかけやラティスのビジネスの方向性の決め手となった出来事について伺います!

2015年中途入社。経理総務をやっているうちに、人に関わる仕事がしたいと思い人事になりました。
1歳男の子のやんちゃっぷりに手を焼きながら「働きやすい会社」ってなんだろうと考える日々です。

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