勝手に書籍紹介

これも一つの”美学”なのかもしれない

たまには少し毛色の違うものも、ということで「完全なる証明」@マーシャ ガッセンを。


ラティスには学生時代に数学を研究していた人も多く、数学の考え方が好きだけれど苦手意識のある私からすると、尊敬しかありません。
少しでも数学の世界を覗いてみようと思って手に取りました。

 

「ポアンカレ予想」という高額な賞金がかけられた数学の問題をご存じでしょうか?
本書はそのポアンカレ予想の証明を成し遂げたペレルマンという数学者の実体を彼の周囲の人々へのインタビューを下に解き明かしてゆく内容になっています。

 

というのも「ポアンカレ予想を解く」という偉業を成し遂げたにも拘わらず、ペレルマンはミレニアム賞も辞退して賞金すら受け取らず、今は隠遁生活をしているそうで、著者自身ペレルマンと会ったことはないのだとか(!)です。
偉業はもとより、天才というか奇才というか、ペレルマンの人柄も興味がわいてくるような気がしませんか?

 

さて、そんなポアンカレ予想についての解説もあるのですが、
残念ながら全く理解できませんでした(・・・)

 

しかしながら、ポアンカレ予想に取り組んでいた数学者たちを表現する文として次のようなものを見つけて少し安堵。

まず、ポアンカレ予想を解かれたことに落胆し、
それがトポロジーではなく微分幾何学を使って解かれたことに落胆し、
そして、その解の解説がまったく理解できないことに落胆した

 

(理解度の次元が異なることは理解しています)

 

そんなペレルマン。
きらびやかな天才というよりは、頭の回転が恐ろしく速く、考え方がとにかく厳密で、誤った結論にたどり着くことがなかったそう。
おそらく論理的思考力の塊のような方だったのでしょう(少し付き合いづらそう。。。?)


彼のエピソードやポアンカレ予想を解いた後の行動を見る限り、本当に「数学を解く」ことにしか興味がない、純粋な人なのではないかと思いました。
数学の世界に魅せられ、その世界で思索を巡らせることにしか興味がないその姿勢に、美しさを感じました。

数学に限らず、とある世界に魅せられ、没頭できるのは1つの才能だと思います。

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他にも旧ソ連下での数学者教育の実態など興味深い内容はあるのですが、特に印象に残ったのは次の事柄。

  • 数学者は大きく分けて「代数学者」と「幾何学者」に分かれること、全社は数式で世界を理解しようとし、後者は図形で世界を理解しようとする
  • ポアンカレ予想は4次元や5次元は既に解決されていたが、3次元だけ解決されていなかったこと(素人発想では、なぜ4次元や5次元が先に解決できるのかすら理解不明)

 

 

自分とは無縁、と思っていた世界を覗けるのが読書の愉しみの一つだと思いませんか?

ちなみにラティスでは「幾何学」の考え方をする数学好きの方が活躍できるフィールドだとのことです! 我こそはという方はぜひ採用情報をご覧くださいね!